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丸山 結; 森山 清史; 中村 秀夫; 橋本 和一郎; 平野 雅司; 中島 研吾*
Proceedings of RASPLAV Seminar 2000 (CD-ROM), 8 Pages, 2000/11
シビアアクシデント時圧力容器下部プレナム内溶融炉心熱流動解析コードCAMPの検証を行った。本コードは、内部発熱流体の自然対流と下部ヘッドへの熱負荷、下部ヘッドと溶融炉心固化物間の隙間形成と隙間への冷却水の浸入をモデル化している。半球容器内でフレオンを電磁加熱したUCLA実験の解析では、流体の温度、容器壁面熱伝達係数等を良く予測した。半球スライス容器内で溶融塩を容器側壁から加熱したRASPLAV-salt実験では、熱伝達特性を定性的に再現した。原研で実施した半球体系の圧力容器内溶融炉心冷却性実験の解析を行い、隙間への冷却水浸入モデルを用いることにより実験で測定された容器壁の温度履歴を再現できることを示した。また、狭隘流路内限界熱流束及び内部発熱流体自然対流熱伝達に関する相関式を用い、隙間への冷却水浸入のみでは、大量の溶融炉心の冷却が困難であることを明らかにした。
国井 克彦
Flow Visualization and Image Processing 1997, Vol.2, p.592 - 597, 1997/02
流れの可視化・画像計測技術を用いた実験により、原研型受動的安全炉JPSRの下部プレナム内三次元流況を調べた。実規模の下部プレナム内流況を模擬するために、設計寸法比1/10の透明な試験容器が使われた。得られた結果は以下のようである。(1)内そう物がない状態での下部プレナム内三次元流況は、三次元渦を伴うとても複雑なもので、かつ時間変動も示した。炉心流入前の流況を平坦化するためには、流れを詳細に調べ平坦化法を検討する必要がある。(2)テストケースであるが、炉心のすぐ下に一枚の多孔板を取付けることにより、炉心流入前の流況はかなり平坦化し、時間変化もほとんど消えた。従って、多孔板を調整することにより、炉心流入前の流況は平坦化できる、との見通しを得た。(3)流れの可視化・画像計測技術は、下部プレナム内流れの解析に有効であることがよくわかった。
傍島 真; 岩村 公道; 阿部 豊; 大貫 晃; 数土 幸夫; 刑部 真弘; 安達 公道
JAERI-M 84-223, 194 Pages, 1984/12
加圧水型炉における冷却材喪失事故のブローダウン終期からリフィル、再冠水過程について調べる目的で大型再冠水試験計画が日・米・西独の協力のもとに実施されている。平板炉心試験は円筒炉心試験と共に大型再冠水試験計画の一翼をなし、炉心の2次元熱流体挙動と再冠水現象における炉心と上部プレナムとの流体の相互作用を研究の主目的としている。下部プレナム注入の重力冠水試験では、まず強制冠水試験には含まれていないダウンカマの影響を調べた。ダウンカマへの蓄水が炉心部の蓄水を上回るにつれ炉心入口流量が増え、強制冠水より炉心下部の冷却が多少よくなるというわずかな相異はあったが、全体的な冷却挙動は類似していた。次に蓄圧系注入なしの低速冠水の特性とブロッケージ部の冷却への影響を調べた試験では、全体的に冷却が悪く、ブロッケージ上部のクエンチ遅れが観測された。FLECHT-SEASET試験との特性比較の試験では、総観的に類似性が見られたものの、平板炉心の温度分布等には2次元性が存在し、また前面ブロッケージのクエンチ特性とは異る特性を示した。
岡部 一治*; 村尾 良夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 21(12), p.919 - 930, 1984/00
被引用回数:2 パーセンタイル:29.94(Nuclear Science & Technology)PWR大破断冷却材喪失事故時のブローダウン終盤における下部プレナムよりの二相混合体のスウェル挙動を理解することは、安全上重要な問題であるECC水のバイパスや下部プレナムリフィル過程の評価にとって重要な問題である。このスウェル挙動の解析モデルを作成する為に、下部プレナムでの減圧フラッシングを模擬した。空気-水可視実験を実施した。同実験において、下部プレナム内での二相状態が観察された。すなわち、空気-水二層混合体の上部に、ほぼ空気層ともいえる高ボイド率層が形成され上昇空気流により、水滴が二相混合体の表面からダウンカマ部へ持ち運ばれる状況が観察された。この実験結果に基づき、下部プレナム平均ボイド率と流出上気流体との間の新しい相関式を作成した。同相関式を用いて米国クレアレ社で実施した減圧フラッシング実験を解析し、測定された下部プレナム質量変化を良く予測することができた。
安部 信明*; 田坂 完二
JAERI-M 9476, 60 Pages, 1981/05
RELAP5コードの沸騰水型原子炉の冷却材喪失事故解析への適用性を検討のためROSA-III実験RUN704の解析を行った。RELAP5コードは軽水冷却型原子炉の冷却材喪失事故および過渡変化時の熱水力挙動を解析するために開発された最新のコードであり、一次元の非均質非平衡な二相流モデルに基づいている。解析の結果、RELAP5コードの二相流モデルが従来のRELAP4コードより優れているため、下部プレナムフラッシングによる炉心入口流量の増加およびリウェットが良く計算できた。炉心出入口での気液二相の熱対向流、高圧炉心スプレー系作動後の上部プレナムでの気液二相の熱的非平衡も計算できた。しかし、炉心の再冠水およびヒータ表面のクエンチは計算できなかった。
鈴木 光弘; 田坂 完二; 安達 公道; 岡崎 元昭; 早田 邦久; 傍島 真; 小泉 安郎; 安濃田 良成; 村田 秀男; 斯波 正誼
JAERI-M 8737, 78 Pages, 1980/03
本報は、BWRの設計基準事故、冷却材喪失事故を模擬したROSA-III計画の1つとして、ECSSを作動させない場合の再循環ポンプ吸込側200%ギロチン破断の実験結果を示したものである。本報で示す実験RUN706は初期条件(蒸気ドーム圧力7.17MPa(飽和)、圧力容器内水位4.61m、炉心出力3.405MW、炉心入口流量36.2kg/s、炉心出口クオリティ2.5%)から放出開始し、破断後約520秒間の実験データを得た。実験はほぼ予想通りに進行し、有用なデータが得られた。主な実験上の現象を列挙すると以下のようになる。(1)時刻Osに破断開始、(2)8.5sにジェットポンプ・吸込側露出、(3)17sに下部プレナムフラッシング開始。これは既に蒸気ふんいき中に露出して温度上昇開始していた燃料棒の中下部を冷却するのに役立ったが、上部を冷却しなかった。(4)ECCSが注入されないため、残存水が減少し、最終的に全燃料棒で温度上昇し、156秒で炉心への電力供給を停止した。